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平成29年度事業報告・財務関係資料

(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)
 
平 成 29 年 度 事 業 報 告 書(概要)
(平成29年4月1日~平成30年3月31日)
 
・本会の事業については、平成28年度事業計画に基づき、以下のとおり実施された。

1 植物検疫に関する知識の啓発

(1)全植検協通報の発行
全植検協通報の第119号(平成29年4月1日)から第122号(平成30年 1月1日)まで、毎3か月各号320部を作成して会員及び関係官庁へ配布した。別途、一部の地域協会等に希望に応じて各号738部を頒布した。
 
(2)植物検疫くん蒸安全旬間事業の支援
・「植物検疫くん蒸安全旬間」(11月1~10日)の行事について、地域協会が主体となって実施する地域が多いことから、当協会は、平成29年度も例年通り植物検疫くん蒸安全旬間ポスターを作成し、各地域協会等に頒布することとした。
・平成29年度ポスター図案について、当協会は、全国の植物検疫関係官庁、団体等に募集案内(平成29年6月28日付文書)を行い、同図案選考委員会を開催(9月5日)して105点の応募作品の中から最優秀作品(1点)を選考・決定した。更に、各地域協会と連絡をとってポスター必要数等を集計した上で、10月上旬に978枚(前年1,011枚)を印刷・頒布した。
 
(3)当協会ホームページ(HP)の運営
・当協会HPで、当会の活動、植物検疫情報等につき広報を行っている。主な内容は、全植検協の概要、事業案内、出版物一覧、植物検疫情報、定款・会員名簿、役員名簿、財務諸表、輸出用木材こん包材消毒証明等に関するものである。また、植物検疫・植物防疫に関する各種の催しの案内など常に新しい情報の掲載に努めている。更に、今年度から新たに取り組んでいる輸出サポート事業のバナーを新設し、本事業に関する情報を提供している。
・HPのトップページに検索機能を設け、利用者の利便を図っている。
・「お問合せ」コーナーでは、輸出入関係者等から照会メールを受信しているが、その都度、照会内容に応じてメール返信又は電話回答を行っている。
・日本産農産物の輸出をサポートするため当協会のHPを大幅に更新し、植物検疫条件等の情報を提供している。
 
(4)植物検疫に関する照会に対する応答及び指導
・輸出こん包材の消毒証明制度や諸手続、輸出入検査制度や諸手続、検疫病害虫の追加指定に関する規則改正等について、電話照会・相談等が週15件前後の頻度で通年寄せられた。それら照会等の中で、特に会員関係者からは輸出こん包材の消毒証明制度や諸手続等について、また、一般業者・個人からは輸出入検疫の受検要否や輸出検疫証明書の発給等について問合せが多かった。前者に対しては具体的に説明し、後者に対しては制度と手続き等を説明するとともに、輸出サポート事業を利用した専門家派遣等を案内している。
 
 

2 植物検疫に関する情報並びに資料の収集、整理及び提供

輸入植物検疫実績の収集、整理及び配布
植物防疫所「輸入植物検疫統計」(平成28年1~12月)、地域協会集計資料等を基に地域植物検疫協会別の輸入植物検疫数量に関する集計整理を行い、全植検協通報第121号(平成29年10月1日発行)に掲載した。

3 植物検疫に関する官公署及び団体との連絡及び協調

 (1)植物検疫に関する農水省通達等の伝達
植物検疫に関する法令規則、通達、公聴会公示、農水省連絡文書、説明資料、木材こん包材規制等に関する情報等を会員に配布し周知徹底に努めた。
 
(2)植物防疫関係官庁及び団体等との連絡及び協調
・農蚕園芸団体連合会(農団連)、植物検疫関係団体事務連絡会、植物防疫団体総務連絡会、報農会(植物防疫ハイビジョン-2017)、日本植物防疫協会(日植防シンポジューム)等の会合に出席し、農業政策・植物防疫等に関する諸情報の入手・連絡・協調に努めた。
 

4 植物検疫に関する印刷物・図書の作成刊行

(1)「植物、輸入禁止品等輸入検査申請書」等の諸様式の印刷及び頒布
・各地域協会から頒布希望のあった「輸出用木材こん包材消毒証明書」様式については、計901冊(1冊50枚)を頒布した。
 
(2)既刊図書の頒布
・「輸出用木材こん包材の消毒証明マニュアル」(平成28年版)(93部・累計626部)
・「資料 植物検疫統計この10年」(平成25年版)(1部・累計182部)
・「資料 検疫有害動植物」(平成24年版)(1部・累計310部)
・「日本の植物検疫」(平成23年版)(1部・累計185部)
・「植物検疫関係法令英文」(平成21年版)(0部・累計89部)
・「植物防疫関係法令通達集」(平成20年版)(3部・累計200部)
・「資料 検疫有害動植物・非検疫有害動植物」(平成28年度改正版)(8部・累計26部)

5 植物検疫業務の円滑な運営に資する委員会の開催

(1)第7回業務企画委員会
・平成29年10月31日(火)に標記委員会を千代田区内神田(全農薬ビル)で開催。会議では、「平成30年度の全植検協本部会費のあり方」、「輸出用木材こん包材消毒証明書発給業務に係る会費」、「輸出サポート事業の現状報告」及び「本部会費の中長期的なあり方」について協議・意見交換を行った。なお、平成30年度の本部会費及び木材こん包材に関する議論については、委員長から会長あてに答申書を提出した。
 
(2)平成29年度植物検疫くん蒸安全旬間ポスター図案選考委員会
・平成29年9月5日に標記委員会を千代田区内神田(当事務所)で開催。全国の植物検疫関係者から応募のあった図案作品105点(内訳:植物防疫所6点、植物検疫協会63点、植物検疫防除業会36点)を対象に標記委員会で最優秀作品1点、優秀作品1点及び入選作品10点を厳選した。選考の結果、九州植物検疫協会森大史氏の作品が最優秀作品に決定し、本年度の植物検疫くん蒸安全旬間ポスター図案に採用された。

6 植物検疫に関する研修会等の開催

(1)平成29年度植物検疫全国研修会
・平成30年2月8日(木)、標記研修会を東京港芝浦サービスセンターで開催した。受講者は会員関係団体・会社の役職員等53名。講演内容は次のとおり。
「植物検疫を巡る最近の状況について」  
「輸入植物検疫において発見される害虫について」
             農林水産省横浜植物防疫所成田支所   源河正明氏
「各地の港で発見されたヒアリについて」
   環境省自然保護局野生生物課外来生物対策室長補佐 八元 綾氏
「農産物輸出の取り組みについて」
             農林水産省消費・安全局植物防疫課   森本信吾氏
 
(2)平成29年度神戸支部検疫研究会
・平成29年10月19日(木)~20日(金)、鳥取県米子市及び境港市で開催。会員協会の役職員等19名が参加。初日に次の講演を、翌日には境港木材埠頭及び植物検疫関連施設の見学を行った。
「植物検疫を巡る最近の情勢」   
     農林水産省神戸植物防疫所業務部    石川昭彦氏
「境港における植物検疫の現状」 
     農林水産省神戸植物防疫所境港出張所 草刈良樹氏
「境港の港湾機能強化について」 
     境港管理組合              郡香緒利氏
                                         
(3)平成29年度海外植物検疫事情調査研究研修事業(神戸支部)
・平成29年11月19日(日)~24日(金)、ベトナム社会主義共和国の農業事情、輸出入政策、植物検疫政策に接し、日本との類似点や相違点などの知見を得ることを目的に本研修が開催された。なお、同研修には協会専任職員6名、協会会員7名(計13名)が参加した。

7 植物検疫に関する受検体制の整備

(1) 輸出盆栽に添付する標識の作製及び頒布
・EU向け五葉松等特殊盆栽用標識は、EU植物検疫要求に基づき義務的措置として使用されているところである。平成29年7月12日付で横浜・名古屋・神戸・門司植物防疫所から依頼を受けて、EU向け五葉松等特殊盆栽用標識15,215枚(前年13,383枚)を作製し、平成29年8月30日付で全国16都府県(福島、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、長野、愛知、京都、大阪、兵庫、奈良、香川、愛媛、福岡)の盆栽生産者92名に配布した。
 
(2) 輸出用木材こん包材証明業務の円滑な実施
①消毒証明実績
・平成18年7月以来、中国等から消毒処理表示スタンプに加えて当協会の証明書が求められた場合や、豪州等から独自基準による証明書の要求があった場合に、当協会様式の「消毒証明書」を発給している。平成29年度(平成30年3月31日現在)の消毒証明書発給実績は、36,776件(前年比102.6%)であった。国別内訳は、中国16,305件(全体比44.3%)、オーストラリア850件(2.3%)、EU893件(2.4%)、ニュージーランド96件(0.3%)、インドネシア6,136件(16.7%)、その他12,496件(34.0%)であった。
 
②認定消毒実施者の認定状況
・認定消毒実施者の新規認定、認定内容変更等については、申請提出の都度、消毒施設調査資料等に基づき審査し結果を通知した。平成29年度(平成30年3月31日現在)の認定消毒実施者は、熱処理:302事業者(対前年4増)、くん蒸:23事業者(対前年1減)、合計327事業者(対前年5増)である(次回「3年毎認定継続」手続:平成33年4月1日付で認定継続の通知予定)。
 
③登録こん包材生産者の登録状況
・登録こん包材生産者の新規登録、登録内容変更等は、申請が提出された都度、調査資料等に基づき審査し通知した。平成29年度(平成30年3月31日現在)の登録こん包材生産者は、1,613事業者(対前年1減)である。(次回「3年毎登録継続」手続:平成31年4月1日付で登録継続の通知予定)。
 
④内部監査実施概要
・輸出用こん包材の消毒認定・登録事業に関する内部監査は、平成29年8月24日(名古屋事務所)及び9月25-28日(神田本部事務所)に平成28年度事業を対象として実施した。同監査の報告概要は以下のとおりである。
〔平成28年度事業実績〕業務委託協会数:40協会、認定消毒実施者数:323事業者(熱処理298、くん蒸25)、登録こん包材生産者数:1,608生産者(消毒証明スタンプ登録者数も同じ)、熱処理消毒総数:99,783件、679,990.4m3、くん蒸消毒総数:353件、6,273.5m3、表示使用総数:1,416,517件、650,930.7m3、臭化メチル総使用量:1,632.0kg、こん包材生産者実地調査件数:343(生産者)、消毒実施者実地調査件数:29件(事業者)
〔調査結果〕平成28年度事業は「要領」、「細則」及び「業務委託仕様書」を遵守し、適切に運営及び管理された。基準不適格事例に対して必要な措置が講じられ、農水省への報告等が適切に行われた。
〔参考〕「輸出用木材こん包材に関する認定・登録業務実施細則」(平成19年4月10日付19全植検協第2号)で、毎年、監査員により内部監査し、会長へ報告し、監査報告書を保存すること等が定められている。
 
(3) 「平成29年度輸出国先の規制に対応するためのサポート体制整備委託事業」(農林水産省からの受託)の実施
平成29年4月3日 農林水産省と委託契約
平成29年4月14日 第1回有識者検討会(運営内規と今後の進め方を承認)
平成29年4月19日 専門家選定委員会(運営内規と専門家の選定を実施)
平成29年5月12日 農林水産省へ事業計画書を提出
平成29年6月1日 相談窓口を設置するとともに専門家(121名)を委嘱
平成29年9月以降 専門家選定委員会(書面協議)を踏まえ、専門家を追加委嘱
平成29年11月7日 第2回有識者検討会(サポート事業の中間報告と課題の検討)
平成30年2月9日 専門家会議(29年度実施内容と課題の検討)
平成30年3月2日 第3回有識者検討会(29年度実施報告書の検討)
平成29年度の主な実績:専門家138名 (植物検疫47名、農薬80名、栽培管理8名、その他3名)を登録し、専門家リストを整備した。また、全国16カ所に相談窓口を設置し、ホームページ等により周知を行ったところ、多くの相談が寄せられた。相談者が抱える課題等について聞き取り作成したカルテは153件。これらのうち、81件の相談に対し延べ181名の専門家が現地に赴き技術的サポートを行った。なお、平成29年度の事業概要については、全植検協通報第123号に掲載した。

8 その他協会の目的を達成するために必要な事業

(1)新公益法人制度に基づく手続
・平成29年6月26日、内閣府に平成28年度公益目的支出計画実施報告書を提出。
・平成29年7月27日、内閣府から平成28年度公益目的支出計画実施報告書等の申請・届出の処分・完了通知。
 
(2)功労者及び永年勤続者の表彰
・第6回定時社員総会(平成29年6月14日)で、次の8名の方々が、花島会長から当協会の功労者及び永年勤続者として表彰され、賞状及び記念品を授与された。
〔功労者:感謝状〕(7名)
      渡辺喜久(東京植物検疫協会会長)
      阿部正則氏(神戸植物検疫協会会長)
      橋岡俊一氏(小樽石狩植物検疫協会常務理事)
      西尾忠久氏(清水植物検疫協会会長)
      柴 秀木氏(伏木富山新港植物検疫協会会長)
      近藤立弥氏(大阪植物検疫協会会長)
      坂田康朗氏(京葉地区植物検疫協会理事長)
 〔永年勤続(30年以上):感謝状〕(1名)
     猪又紀子氏(横浜植物防疫協会)  
 
(3)植物検疫に関する説明会等への出席
①平成29年6月12日、農水省会議室で、農水省植物防疫課主催「第12回国際植物防疫条約(IPPC)総会(CPM-12)報告会」が開催された。参集範囲は、農水省、横浜植物防疫所他、関係団体等(京葉協会、日くん協、日種協等から20名余り、当協会事務局からも出席した。同説明会では、平成29年4月に韓国・仁川で開催されたIPPC総会で議論された議題について概要説明があった。
 
  • 国際基準(ISPM)の採択:①種子の国際移動(採択)、②使用された車両、機械及び装置の国際移動(採択)、③ISPM20「植物検疫輸入規制制度に関する指針」付属書「輸入国による輸出国での荷口のコンプライアンス確認の取決め」(採択)、④木材の国際移動(採択)、⑤栽培用植物に関連する培養資材の国際移動」(採択)、⑥ISPM28「規制有害動植物に対する植物検疫処理」付属書」(ア)木材の誘電加熱処理(不採用):中国から、中国で実施した試験結果によれば当該基準案の処理効果に疑問があるとして異議を提出。当該基準案は基準委員会に差し戻された。その他の案(昆虫に対するはく皮された木材のフッ化スルフリルくん蒸処理等)はすべて採択された。
  • 新規補助機関(実施能力開発委員会)設置:既存の能力開発委員会を廃止し新設することが合意された。
  • 電子植物検疫証明(e-Phyto): e-Phyto構築に係る諸活動が紹介された。
  • 海上コンテナ:海上コンテナに関連する病害虫リスクを評価し、管理するための補完的アクションプランが提示され、承認された。
  • 適合証明の利用:「木製品及び木工品の国際移動」の基準策定に向けた検討の中で提案された植物検疫当局により承認された民間団体による証明(適合証明)制度導入については、将来的な検討を否定するものではないが、現時点で更なる作業を承認しないこととされた。
  • 電子商取引に関するスペシャルトピックセッション:インターネット取引の普及により、病害虫のまん延のリスクも高まっていることを受け、WTO(世界貿易機関)、WCO(世界税関機構)、CBD(生物多様性条約)、産業界及び植物検疫当局の取り組みが紹介された。
  • その他:次回IPPC総会は、平成30年4月16-20日FAO本部(ローマ)で開催
 
②平成29年 8月4日、農水省会議室で、農水省植物防疫課主催「植物検疫措置に関する国際基準案についての説明会」が開催され、当協会の副会長が出席した。同説明会では、1回目の加盟国協議に諮られるISPM案、2回目の加盟国協議に諮られるISPM案及びISPM27「規制有害動植物の同定診断プロトコル」付属書案について概要案について説明があった。
 
③平成29年9月19日、農水省三番町共用会議所で農水省植物防疫課主催「平成29年度国際植物防疫条約に関する国内連絡会」が開催され、当協会から副会長が委員として出席した。同連絡会では、1回目の加盟国協議に諮られるISPM案((ア)ISPM5 「植物検疫用語集」の改正、(イ)切り花の国際移動、(ウ)植物検疫措置としてのくん蒸の利用の用件)、2回目の加盟国協議に諮られるISPM案((ア)ISPM5 「植物検疫用語集」の改正、(イ)ISPM15「国際貿易における木材こん包材の規制」付属書に改正、(ウ)ISPM6「サーベイランス」の改正、(エ)植物検疫措置としての温度処理の利用の用件及び仕様書案並びにISPM27「規制有害動植物の同定診断プロトコル」付属書案について議論された。主催者から連絡会での議論を踏まえ、9月末日までにIPPC事務局へコメントを提出する旨の説明があった。
④平成30年2月20日、農水省会議室で「第13回国際植物防疫条約総会に向けた植物検疫措置に関する国際基準案についての説明会」が開催され、当協会の事務局長が出席した。説明会では13回総会において諮られるISPM案の説明と対応方針について、植物防疫課担当官から説明があり、質疑が行われた。

9役員等の異動状況

第6回定時社員総会(平成29年6月14日)で、任期満了に伴う役員の選任について決議が行われ、理事17名及び監事2名、計19名が選任された。また、同総会終結後に引き続き臨時理事会が開催され、理事の中から会長1名、副会長4名が選定された。
 役員全員の任期は、平成29年6月14日就任、平成31年6月定時社員総会終結時満了となる。なお、平成29年12月4日、副会長・専務理事の齊藤登氏が死去した。
 平成30年3月31日現在の役員名簿は、別記のとおりである。

10 会員の異動状況

①入退会
 平成29年6月6日付けで通常会員の釜石植物検疫協会及び日本園芸農業協同組合連合会が退会した。
 平成29年6月28日付けで特別会員の海外貨物検査株式会社が退会した。
 平成29年6月22日付けで池田興業株式会社燻蒸事業部が賛助会員として入会した。
 平成29年10月1日付けで特別会員の住化グリーン株式会社がレインボウ薬品株式会社に名称を変更した。
②総括表
区 分
正 会 員 数
賛助会員数
総会員数
通常会員
特別会員
平成29年4月1日現在
55
7
62
9
71
平成30年3月31日現在
53
6
59
10
69
一般社団法人全国植物検疫協会
〒101-0047
東京都千代田区内神田3-4-3 伊田ビル
TEL.03-5294-1520
FAX.03-5294-1525
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